苺ショート
「もうすぐ誕生日だから、何か欲しいものがあれば、できる限り買ってあげるよ」
とは言ったものの、なかなか答えがでない。
日ごろから、ウチはそんなに贅沢できない家だから、と気を使っているようにも思える。
これは親にとっても本人にとっても不幸なことだ。
だからといって、何もしてやらないのは、こちらも気が済まない。
ボク「ケーキでよければ、店に行って選んでもいいんだよ」
娘「・・・・じゃ、苺ショートがいい」
ボク「そんな定番じゃなくて、せっかくだから見てから気に入ったものにすればいいんだよ」
ヨメさん(横槍)「そんなん、本人が「良い」っていっとるんじゃから、それでえーがー」
いつもながら、好奇心のない子供の振る舞いに気をおとしながら、それでも「もう少し考えてみな」と言い残して。
(ボク、立ち去る)
数日前に、表町で「銀たこ」が店を出していたのを思い出して、
「美味しいタコヤキ食べるのに、一緒に行ってくれないかい?」と娘にきいてみると、
「いいけど・・・・日曜は朝はあまり早く起きるのはイヤだから・・」
「じゃ、11時頃なら起きてるだろ。こっちがあわすから起きてから行こう」
「・・・わかった」
しかし、その時間になって、やんわり起こしにいっても、まだ寝ている。
さらに少し待っても同じだ。
フトンの中から
娘「来週じゃ、いけん?」
をいをい・・・・同じ光景が目に浮かぶよ・・・・
つきあっていられないので、これはキャンセルしました。
本当にいまいましいが、他人ではないし、こちらが感情を抑えるしかない。
他人ならば、せっかくお祝いしてあげようとしてるのに、もうやーめた、となるのだが、その選択は親としては避けたい
ならば、と、ネットで苺ショートのおいしそうな店を探してみました。
可知のルクプル。
1個400円、と値は張るが、まずはお試しだ。
娘以外はシュークリームでガマンしてもらった
家族としての気持ちはいつも離れようとする。
でも、このままみんながうまくいくには、「親」を演じ続けなければ。
苦しい。