蘇るマハラジャの思い出
「美味しいカレー屋があるんだ。チキンカレーだけど、骨付きチキンがよく煮込んであって、食べるのは当然スプーンなんだが、このチキンが、スプーンで簡単にほぐせるほど柔らかくて・・」
と絶賛している。
それなら、と行ってみたのは、岡南ハピータウン北側の小さなテナント。
2軒の店がくっついてひっそり営業しているような。
店名は「マハラジャ」。
Yの言う通り、簡単にほぐせるチキンと、辛めのスパイスは同期仲間でも好評で、何度か利用しました。
でも、いまどきの人気店みたいに行列ができていたことはありませんでした。
しかし、いつしかここは閉店してしまい、あの味は食べられなくなってしまった。
かといって、ナイトスクープのネタにするほど、オーバーな無念さはない。
それからのち、カレーの話題をきくたびに、この店を思い出して、「こんな店があったんだよ」と友人に話のネタに知らせるくらい。
「マハラジャ」という名前は、インド料理の店につけるとすればメジャーだと思うので、街でそんな店を見つけても、それだけを頼りにあの店だと推断することはできない。
昨年、仕事でR53を通るときがあり、辛香峠を岡山市内から超えてしばらく行ったところにセブンイレブンがあり、そこに併設されるように、「お屋敷」のような店があり、そこが「マハラジャ」という店でした。
朝や夕方通りかかると、大抵大きな看板に「無理!」と書かれている。
近所に住む同僚にきいてみると「無理!、てのは店が休みの意味らしいよ。営業しているときは、大丈夫、と書いてある」ということらしい。
まさか、ここがあの店ではないだろうなーと思いながら、いつか行こうと思いながら、ここを通る仕事もなくなりました。
今日の吉備高原でのランニング練習会のあと、道のそばのカンバンが気になっていた「そば屋」を目指して帰っていたけど、そば屋は料亭みたいな佇まいで、高そうなのでやめました。
そのままR53に出て、帰路についたとき、この「マハラジャ」に行ってみよう、と思い付き。
店の扉を開くと、カレー屋にしては無用なほど広いスペースがある。
少し中を覗いたが、客はガラガラだ。この10連休、日曜日の昼過ぎとはいえ。
「ごはんは、白米と玄米のどちらがよろしいですか?」
「えーっと、どっちが合いますか?」
「それはなんとも(お好みで・)そうそう、半分ずつ、にしましょうか?白米と玄米」
「試してみれるんですね?できるのなら、それでお願いします。」
「かしこまりました。あ、ここは初めてのお客様ですね?」
「はい。ルゥはかなり辛いですか?」
「・・普通よりは辛いと思います。」
「そうなんだ。でも、多分大丈夫です」
注文を受けてから調理するので、多少時間がかかります、と表のメニューにも書いてあるので、おとなしく(^^;)待つ。
普通よりは長めに待つが、多分話し相手がいればなんてことはない時間だろう。
スプーンで一口ずつかけて食するタイプ。
ルゥはちょっと少なめなので、最初からたっぷりはかけない方がいいかもしれない。
味は・・多分、あの時の「マハラジャ」と同じ。
柔らかいチキンで、確信を持つ。
量はやや少なめに感じるが、オプションで増量もできるようだ。
会計のとき「美味しかったです」と女性に声をかけると、嬉しそうでした。
ついでに「ここはいつからやってるんですか?」ときく。
「最初は、あけぼの町で、中山下、それからここです・・いろいろ替わっていて」とやや恥ずかしげだが、やっと発見した。
「あけぼの町の店、ボク行ったことあるんですよ。その頃から店をやられてたんですね!」
「また、来ます」
といって店を出るが、あとには客はこない。
洒落た装飾の店内で、アナウンサーの魚住さんと阿藤快のサインがあったから、一時期はTVでも紹介されていたのだろうか。